「Appがトラッキングしないように要求」とは?

最近スマホでアプリを見ていると「Appがトラッキングしないように要求」「トラッキングを許可」とポップアップが出るようになったと思いませんか? 実は、iOS14以降のiPhoneでは、ターゲティング広告を規制する動きがあり、このようなポップアップ(カード表示)が出るようになったとのことでした。そこで、今回は「トラッキング」についてお話したいと思います。

 

「トラッキング」って何?

トラッキング追跡イメージ

では、そもそも「トラッキング」ってなんだかわかりますか?

トラッキングとは、ざっくり簡単に説明すると、日本語に訳すと「追跡」のことで、サイト内とサイト外でユーザーの行動を追跡して分析することを言います。 ユーザー行動を追跡して得たデータは、効率的な広告運用を行うため、ターゲティング広告やアクセス解析・効果測定などに使われていました。 今までサイトで検索した商品や関連商品の広告が表示されたり、同じ広告が何度も表示されたり… 実はこれはトラッキングしたデータを利用し、ユーザーが過去に閲覧したデータを基に、属性や興味がある分野などを抽出して、ユーザーごとに広告を表示する仕組みを利用していたためでした。

 

なぜユーザーの許可が必要になったのか?

Cookie規制について

様々なものがアップデートされたiOS14.5では、プライバシー保護強化のひとつに「アプリのトラッキングの透明性」という目玉機能の追加がありました。 これにより、トラッキングを行う全てのアプリで、起動時にトラッキングの可否をユーザーに確認(許可が必要)するようになりました。 実は近年、プライバシー保護の観点から、トラッキングに用いられる技術のひとつである「Cookie(クッキー)」による計測について規制が強化されていました。

なぜこの「Cookie(クッキー)」という仕組みが規制の対象になっているのでしょうか。 このCookie(クッキー)というのは、Webページに訪問したユーザーの情報を一時的にブラウザに保存・記憶させるというものになり、一度Webページを離れた後のユーザーの行動を追跡する「サードパーティーCookie(3rd Party Cookie)」がプライバシーの観点から問題視され、規制する動きが広まるようになりました。

 Cookieの種類Cookieの発行元がどのドメインかで分類されます。

 ・ファーストパーティーCookie(1st Party Cookie)
  ユーザーが訪問したサイトのドメイン(運営社)が直接発行されるCookie

 ・サードパーティーCookie(3rd Party Cookie)   
  ユーザーが訪問したサイト以外のドメイン(第3者)が発行されるCookie

 

トラッキングを許可するとどうなる?

トラッキング許可の選択

では、ポップアップ表示がされた際に「トラッキングを許可」してしまったらどうなるのでしょうか? アプリ外の他のアプリやサイトの自分の行動履歴や情報が収集され、以前閲覧したことのあるサイトなどの広告や関連商品の広告(ターゲティング広告)が表示されます。いわば「自分向け」の広告が表示されます。 心配する方もいるかもしれませんが、アプリ側がトラッキングで得た情報を収集する目的は、広告配信や効果測定のためなので、実はセキュリティ上はあまり危険はないという専門家の意見もあります。 逆に「トラッキングを許可しない」を選択すると、アプリ外の他のアプリやサイトの自分の行動履歴や情報が収集されなくなり、全く興味や関心がない分野の広告や見たくない分野の広告が表示されることがあると思います。 「トラッキングを許可する」「許可しない」は一概にどちらが良いかはわかりません。 ご自身で良く考えた上で選択するようにしてください。トラッキング許可の選択は、iPhoneの「設定」→「プライバシー」→「トラッキング」で後からでも変更可能です。※2021年7月現在

 

いかがでしたでしょうか。 少し難しい話になってしまいましたが、Cookieデータの活用が規制されることで、ウェブマーケティングやデジタルマーケティング業界は、今後大きくな変化を迎えることは間違いないと言えます。 さらに、Cookieに頼らない広告配信や今までとは違うマーケティング手法などを試していく必要があるかもしれません。

 

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KD-M

KD-M

株式会社カオルデザイン マーケティングセクション所属。担当領域はクライアントサポートから社内サポート、校正作業など。正確さとスピードが求められる仕事なので、少しピリピリしてしまう事もありますが「いつも心に太陽を」を心がけています。